社長の右腕を育成するための基本のき
みなさん、こんにちは!BRMzの川村匡弥(かわむら まさや)です。
熱い思いをもって事業を始め、順調に事業を拡大していったものの、ふと気づくといろんなことをすべて経営者である自分自身がやっていて、手放せているのは事務仕事や経理の仕事だけ。経営のことを相談できる相手もおらず、このままではいけないと思いとりあえず幹部を指名するも、なかなか期待するレベルにならない…。
そんなお悩み、抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?みなさんの事業環境によって、社長の右腕が身に付けるべき知識や技術は異なってくると思いますが、「経営者マインド」を身に付ける必要がある、というところはどの事業環境でも共通かなと思います。
今回は、その経営者マインドを右腕候補の方に身に付けてもらうために意識すべきポイントを2つお伝えしたいと思います。「あ、この観点は漏れてたな」といった気づきがあればいいなと思います!
経営数字の視点を共有する
従業員と社長では、背負っているものに決定的な違いがあります。従業員は、自分の生活であったり、妻や子供も含めた家族のために仕事をし、給料をもらっています。一方で社長は、自分や自分の家族の生活もさることながら、そこで働く従業員や従業員の家族の生活まで背負っています。
こういった立場の違いって一見すると明らかなんですが、この違いから、色々な感覚が少しずつズレていきます。例えば、社長は「従業員のためにもっと売上を増やしてもっと給料を支払ってあげたい!」と思っているのに、従業員は「今でいっぱいいっぱいなのに、どうしてもっと仕事を増やそうとするの?」と反発したり。例えば、社長は「東京に事務所を構えればブランド価値も向上し、価格交渉力が上がり結果として従業員に還元できる」と思って移転を決意したにもかかわらず、従業員は「社長の見栄のためにこの地元を捨てるのか」と反発したり。
これらはすべて経営数字を経営者視点から見ることができていない、という点が大きく影響しています。なぜ売上を重視するのか、なぜ利益を増やす必要があるのか、そしてそれをすることにより、従業員にどのようなメリットがあるのか。社長が追い求める数字の理由をしっかり伝え、同じ視点で数字を見れるようにすることが重要です。
話を聴く
みなさんは、従業員の方からのお話をしっかり聴くことができていますでしょうか?
「聞く」と「聴く」は同じ読み方ですが意味するところは全く違います。
聞くとは、とりあえず耳に入れることです。PCに向かいながら報告を聞く、メールを見ながら報告を聞く、背中を向けながら報告を聞く…。これらは確かに聞いていますが、聴いてはいません。
聴くとは、心から相手の話を聞くことです。相手の立場に立ち、相手の話を否定せず、全身全霊で相手を理解しようという気持ちで聞くことです。
実は、経営者の方は聴くことが苦手と言われます。なぜか?それは、その集団の中で一番優秀だからです。優秀であるがゆえに、1を聞いて10を理解してしまい、相手の話の途中であるにもかかわらず、話をさえぎって発言してしまう。優秀であるがゆえに、報告を聞いて欠点やミスに気づいてしまい、すぐに指摘し改善させたくなってしまう。
大事なのは、色々なことを言いたくなる気持ちをぐっとこらえ、まず聴ききることです。話を聴くことは、情報を共有する以外に、「話をしっかりと受け止めてくれた」という安心感から信頼関係を強固にするとともに、聴く過程で相手を理解しようと質問をすることにより話し手の内省が進み、結果として相手の成長にもつながるのです。
歴史的に有名な人物も、聴く姿勢を重視しています。徳川家康は「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」という句で有名ですし、かの有名な経営学者ドラッカーも、「聴け。話すな」という言葉を残しています。まずは聴きましょう。そして、相手に考えさせること。それが相手の成長につながります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?右腕となる人物のマインドを育てるためのポイントを2つに絞って挙げてみました。
言葉にするのは簡単ですが、実際にやってみるとなかなか難しいと感じるところもあると思います。とくに経営数字の視点共有については、言葉だけではなく絵や図など、共通のイメージを持って話ができるとやりやすいでしょう。
BRMzは、一般企業で働きながら、経営に関する知識を持った人材がそろっています。これは、経営者とその右腕、どちらの立場も理解した人材が揃っているということでもあります。
「その力で右腕候補との溝を埋めて欲しい…」
「右腕候補に経営知識をつけて欲しい…」
「いやいやそもそも私の話し相手になってくれ!」
そんなお悩みがあれば、きっとお力になれますので、まずはお気軽にご相談ください!