テレビCMから見る「コト売り=体験価値を売る」とは?
こんにちは、BRMz共同代表、中小企業診断士の下司です。
早速ですが、「モノ売りではなくコト売り」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?
「モノ」はその言葉の通り、皆さんがお客様に販売している製品やサービスを指します。一方で、「コト」というのはその製品やサービスを購入したことで得られる体験価値のことを言います。つまり、「モノ売りではなくコト売り」は、「製品やサービスを売るのではなく、体験価値を売れ」ということを意味します。
過去の記事で「コト売り」について説明していますので、こちらもご参照ください。
今回は、抽象的で分かりにくい「コト売り=体験価値を売る」を身近なテレビCMをもとに具体事例を紹介したいと思います。具体事例を知ることで、実際のビジネスへの生かし方が見えてくるはずです。
●体験価値を訴えかけるCMの事例
普段何気なく見ているテレビCMにもコト売りの考えが反映されているものがあります。
例1)アマゾン(Motorbike篇)
https://www.youtube.com/watch?v=Y2b9U6qu5SU
例2)スバル(Your story with-にんじん篇)
例3)日清食品(冬キャンプ篇)
どれも一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。
これらのCMに共通するのは、提供しているサービスや製品の特長についてほとんど触れていないことです。特長というのは、アマゾンであれば「すぐ届く」「安い」「豊富な品揃え」、スバルであれば「優れた走破性」「十分な収納」「安全機能搭載」、日清食品であれば「すぐできる」「簡単にできる」「美味しい」などです。
そして、これらのCMを見ていると、なんかジーンと心に響いたり、ワクワクする感情が湧いてきませんか。これこそがまさに「体験価値」で、CMを見ている人に製品やサービスが提供する体験価値を疑似体験させているような内容となっています。
製品やサービスの特長をあえて語らず、あくまで自社の製品やサービスを使った際に体験できる価値を訴求しているのです。頭ではなく感情に訴えかけているのが体験価値に重きを置いたCMの特徴と言えます。
どうでしょうか?
こういう視点でCMを見てみると、名の知れた企業も体験価値に軸足を置いたビジネス展開を考えていることが読み取れます。
「製品やサービスの特長を訴えかけないで競合に勝てるのか?」
こういう疑問を持つ方もいる方もいるかもしれません。その疑問は最もだと思います。ただ、誤解を恐れずに言いますと、消費者の観点から見ると、モノの品質は正直どれも大きくは変わらないと思います。モノに溢れ、世の中のテクノロジーが発展した現代において、モノでの差別化は難しいのです。
では、消費者は何を基準に購買の意思決定をしているのでしょうか。それが、その製品やサービスが提供してくれる体験(コト)になります。アマゾンを使えば…、スバルの車に乗れば…、日清食品のチキンラーメンをキャンプ場で調理したら…、消費者はこのように製品やサービスを利用することで得られる体験を想像して購買の意思決定をしているのです。
●自社が提供する製品やサービスはどんな体験価値を提供しているだろうか?
「コト売り=体験価値を売る」についてイメージが膨らんできましたか。コト売りを考えるには、まず自社が提供できる製品やサービスの価値を「体験」という視点から見直すことが必要です。コツは、自社の製品やサービスを使っているシーンを想像することです。誰がどんなシチュエーションで利用していますか。そのシーンにいる人たちはどんな体験をしていますか。そのシーンをできる限り具体的に、細部まで絵に描けるぐらい詳細にイメージができると、すでに自社の製品やサービスが提供する体験価値について把握できたと言えるでしょう。
これらを進める際には第三者の視点を入れることも有効です。複業集団BRMzでは、多様な業界・業種の出身者が、企業分析やマーケティングの戦略立案から実行までお手伝いいたします。全員が経営全般を体系的に学んだ中小企業診断士であり、企業で培ったスキルや経験を事業者の皆様のご支援に活かしています。
「そうはいっても、何から相談すればよいかわからない・・・!」
「どこからどこまでの仕事を任せられるのか見極めたい」
そんなところからのスタートでも結構です。
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