他社はどうなの？中小企業のデジタル化、DXの状況とその効果

「デジタル化」、「DX」二つの言葉がクローズアップされて久しいですが、なかなか取り組めていなかったり、そもそも取組方法が分からなかったりという方も多いと思います。そこで、「実際どの程度中小企業は取り組めているの？」というのは気になるところだと思います。この記事では、中小企業庁「2022年版 中小企業白書」の内容をもとに中小企業の現在のデジタル化、DXの状況とその効果についてお伝えします。

多くの企業において優先順位が高くなっているデジタル化

下図は、時点別にみた、事業方針におけるデジタル化の優先順位について示したものです。

みていただいてわかる通り、コロナ禍前の2019年においては「事業方針上の優先順位が高い、やや高い」としていた企業は４割程度でしたが、2021年においては６割を超えてきています。今後もその割合は増えてくることでしょう。コロナ禍を通じて、Zoomなどを使用したリモート会議などを余儀なくされた会社も多く、抵抗感が薄れたとともに、各種補助金などに後押しされた影響もあると言えるでしょう。

デジタル化の段階と取組状況

ではそもそもデジタル化とはどういう状態のことを示すのでしょうか。（株）東京商工リサーチの調査ではデジタル化の取組状況を以下の４つの段階に分けています。

みなさんの会社はどの段階でしょうか。多くの会社が、段階２または３という状況でしょう。そこで気になるのが「では他の会社はどの段階なのか」ということですね。時点別にみたデジタル化の取組状況は以下の通りです。

2021年時点では、約半分の企業が段階３「デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態」となっています。段階１である「デジタル化が図られていない状態」という企業は１割にも満たず、多くの企業がコロナ禍でデジタル化の取組を進展させていることがわかります。

デジタル化により労働生産性と売上高に変化が！？

ではデジタル化によりどのような効果が出ているのでしょうか。先ほどのデジタル化の段階別で評価をしてみましょう。2015年と2021年のデータを比較したものになります。

②を見てわかる通り、労働生産性は段階３及び４にて上昇していますが、逆に段階１と２では減少してしまっています。また③を見ると売上高では、同じく段階３及び４にて上昇していますが、段階１と２では減少してしまっています。ここから何が読み取れるでしょうか。デジタル化による競争力の強化やデータ利活用に取り組むことで、業績面にプラスの効果が現れていると考えられます。また段階２では労働生産性や売上高が落ちていることから、デジタルツールを利用するだけでなく、その先の業務効率化やデータ分析を通じた戦略の見直しなどに繋げられているか、という点が重要なのだとわかります。

まとめ

以上のように、多くの中小企業でもデジタル化に取り組んでいて、段階３や４に進んだ企業は効果も明確に出てきているということがわかりました。

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