製造業におけるDXの取り組み方とは

製造業におけるDXの取り組み方とは


こんにちは、中小企業診断士の石井です。

withコロナの時代になって、国内の製造現場は情勢の変化へ対応することが求められています。

DX(デジタル・トランス・フォーメーション)とは、”進化したデジタル技術を活用して人々の生活をより良いものへと変革すること”です。

ガラケーが新しい技術であるスマートフォンに取って代わられたように、デジタル技術への対応の遅れは競争力の低下につながり、変革していく他社との差が広がってしまいます。

「DXに取り組みたいけど何から始めたらいいかわからない」という現場の声にお答えします。

この記事は、DXという言葉はよく聞くし、やってみたいけど、その取り組み方がわからないという製造業の経営者に向けて書いています。

DXとは

DXとは


現代は、未来の予測が難しくなる"VUCAの時代"と言われています。一ヶ月後の世界が予測困難になっている現在では、環境変化に対応するために、組織内外の経営資源を再構築・再結合する経営者や組織の能力が競争力の源泉になります。

ものづくり白書には、変化に対応するための組織の能力として、以下の3つが挙げられています。

・脅威・機会の検知

・機会を補足して、資源を再構築・再結合し、競争優位を獲得

・競争優位性を持続可能なものにするために、組織全体を変容


これらの3つの能力をデジタル化により強化して、さらにビジネスの変革により顧客提供価値の創出をしていくことがDXだと考えられます。

DX(デジタル化)のメリット

DX(デジタル化)のメリット

1.生産性が向上する

人がやっていることを機械にやらせることができれば、業務から開放された人材は人間しかできないクリエイティブな業務を行うことができます。

日本においては、少子高齢化の影響で労働人口が減少しより少ない人数で今まで以上の価値を生み出していかなければいけません。

競争力を高めるためには、これまで単純作業を行ってきた人材に新しい価値を生むような仕事を行ってもらいましょう。

2.変化への対応力がつく

日頃からデータを収集して状態把握を行っていれば、状態変化があったときにすぐに検知して対応を取ることができます。

感覚で経営したり、変化に気づくのが遅れれば、他社から出遅れてしまいます。

データを用いることで変化に敏感になり、対応策まで自動で打てるようになれば、事業リスクをかなりへらすことができるでしょう。

3.作業の標準化ができる

日本の製造現場では、作業と作業の間を、現場の経験や呼吸で補ってうまくまわしていることが多いでしょう。

しかし、今後は少子高齢化による労働人口の減少や、未経験の海外からの労働者などの増加により、これまで行われてきた阿吽の呼吸による伝統的な製造技術が失われていきます。

この阿吽の呼吸をデジタル化することで、あらゆる作業が言語化され、誰でも同じ品質で作業をし製品を製造することができるようになります。

DXのステップ

DXのステップ

では製造業でDXを始めるには、何からやっていけばいいのでしょうか。例として、工場のDXは以下の3ステップで考えることができます。

1,定型業務のデジタル化

まずは一番着手しやすく、効果も確認しやすい定型業務のデジタル化から始めていきましょう。

業務や工程の一連のプロセスを洗い出し、紙で行っていた処理をデータで管理するようにしたり、何度も繰り返し同じ作業を行っていたら、プログラムやロボットでできないか検討します。

作業を自動化できるRPAソフトウェアやAIを使ってみることで、かなりの効率アップを実感できるでしょう。

2.業務間のフローで活用しきれていないデータの見直し

業務の工程と工程の間でデータを有効に活用できているか、見直しをしてみましょう。

例えば、設計の部門では3D CADで図面を起こしていたのに、ある製造ラインでは紙に印刷して組み込むことがあるとします。

技術がある熟練の作業員は、紙の図面から奥にある設計意図を読み取って完璧な製品を作ることができるでしょう。

しかし、経験の浅い作業員が紙の図面を見ても、その奥にある意図に気づかずに不良品を発生してしまうかもしれません。

最初に作成した3D CADの図面を部品表などと紐付けて、各工程で同一データで活用できるようになれば、工程のむらが無くなるメリットの他に、設計変更時の図面の差し替え漏れや手戻りの削減につながり、工場全体のパフォーマンス向上が期待できます。

3.企業全体や顧客との間でデジタルデータを活用する

企業の事業同士でデジタルデータを上手に共有することができれば、大きなシナジーが生まれます。

完成した製品の出荷検査や配送中の情報をセンサーで取得してデジタルで顧客に提供すれば、製品の健全性が確認できるだけでなく、顧客の検品の効率化にもつながるかもしれません。

自社でのデジタルによる効率化を、顧客に対するサービスの変革につなげることができれば、DXの意義はとても大きくなります。

出典:2021年版 ものづくり白書 p23                                          

まとめ

いかがでしたでしょうか。DX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業が成長していくために必要不可欠となっています。

しかし、DXはとても幅広い言葉で、小さく始めることができることがわかったのではないでしょうか。

まずは日頃の業務を見直し、少しでも効率化できるところを見つけて改善していくことが大切です。

そして、業務プロセスの見直しや、顧客価値を提供していく段階では、経営層がDXの重要性を理解して、ロードマップを描き、投資していくことで効果を最大化できるでしょう。

「そうはいっても、どこから取り組んだらいいかわからない・・・!」

複業集団BRMzでは多様な業界・業種の出身者が、経営戦略・DXの立案・実行をお手伝いいたします。
全員が中小企業診断士として経営戦略を体系的に学んでおり、企業で培った力を事業者の皆様のご支援に活かして参りました。


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