【経営戦略×人材採用】御社の採用戦略を考えてみませんか‼
こんにちは、BRMzの池田 雄紀(中小企業診断士)です。
少子高齢化が進む中、日本の中小企業は人手不足に悩んでいます。
御社も事業の成長・発展を目指していく中で、どんな人物をどうやってこの先採用すればよいのか、お悩みではないでしょうか。
本稿を通じて、「経営戦略から導く人材採用戦略」について、ヒントを持ち帰っていただきたいと思います。
なぜ「人手不足」なのか?
毎年4月に閣議決定される中小企業庁の「中小企業白書」においては、以前から中小企業における人手不足(雇用状況)についてリポートされています。
2021年版においても、「中⼩企業景況調査」の結果から、業種別の従業員の過不足状況が示されています。
上図をご覧いただくと、2013年に全業種で従業員数過不足DI(人手が過剰と答えた企業-不足と答えた企業の割合)がマイナスに転じてから、2020年に製造業・卸売業の休業などで一時的に不足感が弱まったタイミングを除いて、一貫してマイナスで推移しています。
新型コロナウイルスの感染状況が収束し、徐々に経済が正常化に向かう中で、人手不足の状況は今後も緩和することはないでしょう。
そもそも、なぜここまで人手不足になっているのでしょうか?
根本的な要因として、生産年齢人口(15歳~64歳、つまり「働き盛り」の方ですね!)が減少していることが挙げられます。
また、求職者(転職者も含む)の間で大企業志向が高まっている結果、中小企業での就業を選択する方が少ないため人手不足が深刻化しています。
企業経営をされている皆様からすると、大企業にしがみつくような生き方には共感できないという方もいらっしゃると思います。
しかし、経済の不確実性が高まっていく中、待遇の安定感に魅かれる求職者の気持ちをまずは理解していただく必要があります。
つまり、漫然と「人を採りたい」と思うだけでは、御社が期待する人材に振り向いてもらえる可能性は低いということなのです。
経営戦略から採用を考える
御社はなぜ人を採用したいと考えられましたか?
足元での人手不足はもちろん、長期的な課題への対処方法の一つとして、人材採用をお考えのことと思います。
例えば・・・
「事業が順調で仕事が手一杯。店舗運営や重要業務を任せられる人材がほしい」
「既存社員の高齢化が進んでおり、彼らが定年退職する前に将来を担ってくれる若い人材がほしい」
・・・もっともなご事情だと思います。
しかし、ここで、一度立ち止まって考えていただく必要があります。
本当に人材を採用しなければ、そのご事情は解消できないものでしょうか。
ITツールを使って業務を効率化すると、意外と繁忙感に余裕が生まれるかもしれません。
パートやアルバイト、派遣社員の方にお任せすればよいのかもしれません。
専門性が求められるのであれば、業務を切り出して専門業者や複業人材へアウトソーシング(外部委託)するのも一案です。
求職者を正社員として迎えるということは、そのための費用は莫大なものとなります。
一般的に、人を雇うためには基本給の2~3倍の費用がかかると言われます。
正社員へのお給料、つまり「賃金」一つとっても、法律で最低賃金が年々引き上げられており、今のところ「打ち止め」の気配が見られないため、人を雇うためのコストは今後も増加することが見込まれます。
単年度の影響に留まらず、求職者が応募~内定~採用~活躍~退職するまでの長期間、費用がかかります。
これに加えて、昨今の「働き方改革」のように、様々な制度の整備が今後も求められ続けます。
【応募~退職までかかる費用の一例】
初期費用:求人にかかる採用費、教育費、設備費
維持費用:基本給、時間外手当(残業代)、社会保険料、福利厚生費
御社としては、当然それらをひっくるめたコスト(億円単位)を上回る貢献を社員に求め、そのための人事運用を続けていくことになります。
そのためには10年、20年、さらにその先のことも視野に入れて、採用を考えなければなりません。
無期雇用の正社員を採用する以上は、単に「人手を補填する」ことに留まらない、御社の「経営戦略」に根差した人材戦略を考える必要があるのです。
「人を活かす」経営戦略
企業は「法人」とも呼ばれます。
一定の事業活動を営むことを前提に、組織に法律上の人格が認められ、権利・義務の主体となることができるのです。
そして、私たちのような「自然人」と異なり、永遠の命を得ることもできます(将来にわたって事業継続していく前提のことを「ゴーイングコンサーン」と言います)。
「法人」たる企業は、経営者だけで成り立つものでもなければ、工場や店舗などの設備、資金だけで成り立つものでもありません。
企業は事業活動を継続するための「公器」であり、そこに命を吹き込むのは社員を含めた「人」なのです。
先ほど述べたとおり、企業としては求職者を「選ぶ」のではなく「選ばれる」必要があります。
御社の経営理念や価値観、経営戦略を時間軸を含めて伝えることで、共感してくれた人を採用しましょう。
例えば、御社が5年後に事業を畳み看板を下ろす計画を立てているとします。
そのために新たに人を採用すべきでしょうか?
もちろん、5年後に事業を畳むことに納得して入社してくれる方がいらっしゃれば、御社とその方の合意の下でそうした雇用も成り立ちうるものです。
ですが、求職者の方が10年、20年、定年まで働き続けたいという意向の持ち主であった場合、ミスマッチとなってしまいます。
反対に、御社としては100年企業を目指して事業を大きくしていくため、新たに人材の採用を考えているとします。
- どのような想いで事業を大きくしていきたいのでしょうか?(ミッション)
- どのように100年企業を目指していくのでしょうか?(ビジョン)
- どのような価値基準の組織を目指したいのでしょうか?(バリュー)
それらを実現するための経営戦略を求職者に伝え、共感していただけた時こそ、御社で活躍してくださる方を採用できる瞬間なのです。
人を活かすも殺すも、経営者次第。御社の経営戦略如何だと言えます。
本稿のまとめ
経営戦略あっての人材採用であることを本稿でお伝えしました。
しかし、御社でも、社長や経営陣の頭の中で描かれているだけで、「経営戦略」を明文化されていないかもしれません。
「日頃のコミュニケーションの中で話しているから…」と言っても、社員全員に意図が伝わっていなければ意味がありません。
また、自社において採用担当者を専任で置いてはおらず、経営者お一人で人材採用を担っておられる場合も多いと思います。
一口に人材採用といっても、様々なタスクが存在しており、あまりの煩雑さに戸惑っている方もいらっしゃると思います。
複業集団BRMzでは多様な業界・業種の出身者が、経営戦略・人材戦略の立案・実行をお手伝いいたします。
全員が中小企業診断士として経営戦略を体系的に学んでおり、企業で培った力を事業者の皆様のご支援に活かして参りました。
「そうはいっても、何から相談すればよいかわからない・・・!」
「どこからどこまでの仕事を任せられるのか見極めたい」
そんなところからのスタートでも結構です。
まずは、BRMzまでお気軽にご相談ください!