【経営戦略×人材採用】御社の採用プロセスを設計しましょう‼

【経営戦略×人材採用】御社の採用プロセスを設計しましょう‼

こんにちは、BRMzの池田 雄紀(中小企業診断士)です。

前回の記事で「求める人材像」を考えてみました。
人材採用は事業を拡大し、強化するための重要な手段の一つです。
「これから仲間になってくれる人材」を迎え入れるには、どうしたらいいのでしょうか。

本稿では、「求める人材」に来ていただくための「採用プロセス」の設計方法について、ヒントを持ち帰っていただきたいと思います。

<<前回までの記事>>
【経営戦略×人材採用】御社の採用戦略を考えてみませんか‼
【経営戦略×人材採用】御社の「求める人材像」を考えてみましょう‼

「採用プロセス」とは?

「採用プロセス」とは?

採用プロセスと聞いて、求人票を人材紹介会社に出したり、応募者と面接したりといった選考過程を思い浮かべる方も多いと思います。
それらも確かに大事なプロセスです。

しかし、ここは焦らずに、まずは全体像を浮かべて、そこから個別のプロセスを検討してみましょう。
実際に採用活動を始めてから終えるまでのプロセスを考えてみます。

①人員計画・採用計画
②募集・選考
③採用内定通知
④内定承諾

迎え入れ
定着支援

人員計画・採用計画をどう作りこむか

人員計画・採用計画をどう作りこむか

人材採用にあたって、御社がこれから企業としてのライフステージ上の変化を迎えるということを考えておく必要があります。
そのときに御社の事業において必要とする人材を、「質」「量」の両面から確保する見通しを立てるのが「人員計画」です。
事業を成功に導くために、最も効果的な人材の採用・配置を考えていくのです。

 手順① 売上高の目標を立てる(目標売上高)
 手順② 過不足のない人件費の水準を考える(適正人件費率)
 手順③ 1人当たりの人件費を設定する
 手順④ 適正人員数を (目標売上高÷適正人件費率)÷1人当たりの人件費 で算出する
 手順⑤ 手順①~④を繰り返しながら(ⅰ)新規採用する人員数、(ⅱ)採用のタイミング、(ⅲ)各部門の人員構成推移を作成する

「人員計画」は人員数だけでなく、費用(人件費)の予算もセットで考えます。
採用は事業を拡大するために行うわけですから、当然売上高の増加も見込めるわけですよね。
目標とする売上高に対して、どの程度の割合で人件費をかけてよいか考えてみましょう(適正人件費率)。

人件費率を抑えようとすれば、過ぎれば来てほしい人材に振り向いてもらえません。
一方で、人件費率を高め過ぎると事業成長の足が鈍ります。
何をもって適正といえるかは難しい問題なのですが、同業における「労働生産性」と「労働分配率」を参考にする方法があります。

 付加価値(円)= 人件費 + 賃貸料 + 税金 + 支払利息(借入金・社債) + 当期純利益
 労働生産性(円) = 付加価値 ÷ 従業員数
 労働分配率(%) = 人件費 ÷ 付加価値 × 100

例えば、経済産業省の「企業活動基本調査」(2015年~2019年度推移)を見てみると、平均的な労働分配率がわかります。

労働生産性を引き上げていくためには、単に頭数(人員数)を揃えればいいわけではありません。
事業目標の達成を担ってくれる人的能力を「質」の面で確保するという視点も重要です。

自律的に動いてくれる管理者を求めているのか、手を動かしてくれるプレイヤーを求めているのか。
人材を採用したい部門における経験年数や能力、業務量のバランスをどう変えていきたいのか。
採用は人件費の増加を招くことになるが、業績の見通しとしてどこまでが許容できるのか。

御社はどのような人材をどの程度の費用かけて採用すべきなのでしょうか。
考えるべき点はいくつもあります。

なお、新しく迎える社員が入社する時点において、人材要件を全て満たしている必要もありません
時間的な余裕を確保できるのなら、自社で「育成」することも選択肢の一つです。

育成という舵取りが可能であるならば、他の部門や事業場に属している社員を、不足を生じている部門に配置して「育成」を図り、社員の成長を待つということも考えられます。
自社で働いた経験を持つ社員の方が、外部から来た社員よりも業務に関する飲み込みが早いという場合も多いでしょう。
もしかすると、「採用」よりも短時間で、御社が独自に必要としている人的能力を獲得することが出来るかもしれません。

いずれにしても、「人員計画」を構成する一部として「採用計画」を立てていきます

ペルソナが導きだす「募集・選考方法」に関する仮説

ペルソナが導きだす「募集・選考方法」に関する仮説

人材を募集する前に、まずは「求める人物像」を明確にすべきだと言う話を前回の記事でしました。

「求める人材像」はマーケティング風にいうと「ペルソナ」です。
御社が必要としている人材の要件を下記のような視点で書きだして、イメージしてみます。

年齢
性別
居住地域
家族構成
生活スタイル
職歴
職業観
転職によって実現したいこと

もちろん、そのペルソナにピタッとハマる人材が求職しているとは限りません。

しかし、求職者視点で考えてみることで、用意すべき待遇や条件なども見えてくると思います。
また、ターゲットにアプローチするには、どのような募集や選考手法がふさわしいのか、仮説を立てられるようになります。
例えば、応募者の心理がどのように変容していくかに注目して、「御社の選考を受けてみよう」と行動してもらうための仕組みを考えていきます。
そこでは、応募者に提供する情報量をコントロールしたり、演出することで志望度を高めていくことも求められます。
こうした仮説を、採用に関わる(=応募者と接する)人全員でイメージを共有してはじめて、コンセプトが一貫した採用活動を展開することが出来るのです。

こうして導いた仮説が、御社の金銭的・時間的制約を超えてしまい、実現不可能なこともあるでしょう。
知恵を絞って実現を図りたいところですが、あくまで目的は事業目標を達成すること。
新規採用することが最適解とは限りません。
ペルソナの設定(=人材採用に求めるもの)を変える必要に迫られる場合もあります。
また、外部パートナーとの提携が最も合理的である可能性もあります。
※その場合はBRMzも選択肢に入れてくださると幸いです…!

採用した人材が定着するまでが「採用プロセス」

採用した人材が定着するまでが「採用プロセス」

さて、募集・選考のプロセスを経て、晴れて期待できる応募者が御社に入社を決めてくれたら一安心。
そこが「採用プロセス」の終わりだと思う方も多いのではないでしょうか。

ですが、入社してくれた応募者が、社員として定着・活躍してくれるところが本来のゴールです。

つまり、「採用プロセス」の終わりは"定着してくれた""活躍してくれている"と実感できるところまで。
逆に言うと、そこも見据えて「採用プロセス」全体を設計する必要があります。

新しく迎え入れた仲間は、御社の様々な側面に入社前の想定とのギャップを感じることになるでしょう。
それをいかにフォローアップしていくかも、予め考えておかなければいけません。

何らかの不満を抱えたその社員から意見を吸い上げ、積極的に改善していく姿勢を見せることも有効です。
不満が解消されたこと以上に、「自分の意見を聞いてくれた」「すぐに動いてくれた!」と感じてもらい、仲間への尊重を示すことが出来るからです。
社員の「働き甲斐」をデザインしていくことで、従業員満足度を高め、御社に定着してくれるきっかけになることでしょう。

また、こうした新規社員のオンボーディングだけでなく、既存社員へのアプローチも考えていきましょう。

本稿のまとめ

「採用プロセス」の全体像と留意点を本稿でお伝えしました。

採用は一期一会。
人間と企業(あるいは事業)のライフステージ上のすれ違いから、社員が離れていくことも当たり前の時代になりました。
それでも、社員と企業が互いを利用し合いながら、Win=Winの関係を作ってこそ、事業も持続的に成長できるというものです。
また、転職が当たり前の時代になったということは、即戦力を採用できる可能性も高まっているということなのです。

人的・時間的制約を免れようと人材採用において外部の力を借りようとすれば、世の中に人材紹介会社や採用代行会社が数多くあります。
しかし、「コンサルテーション」と称して特定のサービス(例えばタレントマネジメントツールなど)利用ありきで「解決策(ソリューション)」を提案されることも珍しくありません。
ビジネスである以上、自分たちの実入りを増やす行動をとることは当然のことです。

彼らを上手く「活用」し、御社のために力を尽くしてもらうためには、「採用プロセス」を御社自身が設計することが不可欠です。
他の企業の真似をするのではなく、「採用プロセス」そのものが企業文化の一体をなすところを目指すべきです。
御社が組織として発展していくうえで、「採用プロセス」をどう設計するかは、最も大事な営みであると言っても過言ではありません。

複業集団BRMzでは多様な業界・業種の出身者が、あらゆるツールやサービスに対して中立的な立場から、採用プロセスの設計をご支援します。

「一体どのくらいの報酬水準を設定すればいいのか(できるのか)わからない・・・!」
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