【経営戦略×人材採用】人を紹介してもらえるルートを考えましょう‼
こんにちは、BRMzの池田 雄紀(中小企業診断士)です。
前回の記事で「SNSを利用した採用広報」の方法をお伝えしました。
今回は人材紹介をテーマに取り上げたいと思います。
ちなみに、サービスとしての人材紹介では、一般的に「年収の約3割」が成功報酬の相場となります。
本稿では、上記のような外部の人材紹介サービスではなく、自社の制度としての「リファラル採用」をご紹介したいと思います。
<<前回までの記事>>
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人を紹介してもらう意義とは
昔から「縁故採用(コネ採用)」などと称して、自社や取引先(基本的には商流の上位関係にある企業)の有力者の血縁者などを採用することは行われていました。
基本的に候補者のスキルや適性は度外視して、取引関係の強化などを目的に行われます。
世間的には良いイメージは持たれていない慣習ですが、企業にとってメリットがあったからこそ行われてきたものです。
採用の経緯はどうあれ、周囲を圧倒させるような成果をあげなければ、候補者本人も入社後にツラい思いをしかねない採用手法です。
対照的に、候補者のスキルや適性を前提として、自社の社員やその他関係者からの紹介で候補者を採用する手法を「リファラル(referral=紹介、推薦)採用」といいます。
人材採用にコストをかけられず、まして優秀な人材の確保が難しい中小企業やスタートアップにとって、人手不足の時代を凌ぐ有力な手法とされています。
欧米ではメジャーな採用手法となっており、中でも米国においては8割程度の企業が導入している手法といいます。
当初はIT系企業が導入の先鞭をつけましたが、現在は最適な人材の確保や定着を意識した幅広い業種の企業が導入し始めています。
まずは、「リファラル採用」のメリットとデメリットをご紹介しましょう。
リファラル採用のメリットとデメリット
「リファラル採用」のメリットとして、すぐに思い浮かぶのは、求人サイトなどを契約しなくて済むため、採用コストを削減できることでしょう。
しかし、実はそれ以上のメリットがあります。
それは、「現時点で転職意向がなくても優秀な人材を勧誘できること」です。
通常、そうした人材は転職情報サイトに登録したり、人材エージェントとコンタクトを取ったりしませんから、アプローチをかける自体難しいのです。
しかし、知己である自社社員や自社を良く知る関係者からの紹介であれば、そうした人材が御社への入社を前向きに検討してくれる可能性が高まります。
その上、紹介者が内部者の視点から自社で活躍するイメージの湧く人材が紹介されるわけです。
外部の人材紹介サービスを使ったり、求人サイトで応募を待ったりするよりも、最適な人材を確保できる可能性が高まるわけです。
一方で、自社社員に紹介されて選考したものの、残念ながら「見送り」となった場合にはどんな問題が起きるでしょうか。
紹介者が候補者にどのように勧誘を行っているかにもよりますが、紹介者と候補者(被紹介者)の人間関係に亀裂が生じることもありえます。
また、紹介者にとっても「メンツを潰された」と感じさせてしまうリスクがあり、こうした点に配慮する必要があります。
上記を含め、「リファラル採用」を導入するメリットやデメリットを整理してみましょう。
≪メリット≫
・紹介者が自社内に存在すること、事前に認識のすり合わせが行われることから候補者が入社後に定着しやすい。
⇒ミスマッチが発生しにくい、孤立しにくい、安心感から離職しにくい。
・一見、費用対効果が見えにくい「採用コスト」を削減できる。
⇒但し、後述のように紹介者にインセンティブを用意する必要はあります。
外部の方にコストとして支払うよりも、自社社員にインセンティブを支払う方がコストパフォーマンスが高いと考えられます。
・紹介者が自社の魅力を外部に発信する過程を通じて、自社へのロイヤリティを高める。
≪デメリット≫
・紹介を気長に待つ必要があるため、期限付の採用計画を実現する手段としては不向きである。
・不採用時、紹介者と候補者の人間関係をケアする必要がある。
・不採用時、紹介者のロイヤリティが低下する恐れもある。
・紹介者と価値観が近い人間が推薦されやすいため、人材の同質化傾向が生じる。
リファラル採用を導入するには
「よい人材がいたら紹介してほしい」
と声をかけるだけでは、なかなか思うように紹介を受けることはできないでしょう。
以下の3点は、リファラル採用の導入にあたって最低条件となります。
1.リファラル採用の実施を社内に周知する
2.「求めている人物像」「採用基準」を紹介者に伝える
3.紹介に対してインセンティブを提供する
⇒金銭的な報酬で抵抗感がある場合はそれ以外の報奨を考えてみるのも一案です。
上述のとおり「候補者が不採用となるリスク」が紹介者にとって心理的な負担になります。
この点を和らげるために、選考の場にすぐ呼ぶのではなく、「会社見学」や「カジュアル面談」などといったクッションを置く方法も考えられます。
また、自社社員が友人や仲間に御社を自信を持って推薦したくなるような環境を整備することも前提となります。
本稿のまとめ
「リファラル採用におけるポイント」を本稿でお伝えしました。
なんとなくお気づきかもしれませんが、リファラル採用は必ずしも効率的とはいえず、メインの採用手法とはしにくいのです。
また、気長に候補者を待たなければならない点では、SNSでの採用に近いものがあります。
しかし、自社社員の一人ひとりがリクルーターとなってくれるわけですから、全社的な採用体制の構築という理想形ともいえます。
その分、実際に運用してみると、様々な障壁にぶつかることになるでしょう。
複業集団BRMzにはリファラル採用で実際に転職したメンバーもいます。
リファラル採用で意思決定をした過程を詳しくお話したり、制度設計のお手伝いをしたりすることも可能です。
「早速リファラル採用を始めてみたいけど、社内への展開方法がわからない」
「社内の制度としてリファラル採用を作ってみたけど、紹介がまだない。どうしたらいいの…?」
そんなところからのスタートでも結構です。
まずは、BRMzまでお気軽にご相談ください!