【経営戦略×人材採用】御社の「求める人材像」を考えてみましょう‼
こんにちは、BRMzの池田 雄紀(中小企業診断士)です。
少子高齢化が進む中、日本の中小企業は人手不足に悩んでいます。
御社も事業の成長・発展を目指していく中で、どんな人物をどうやってこの先採用すればよいのか、お悩みではないでしょうか。
本稿を通じて、「求める人材像」の設定について、ヒントを持ち帰っていただきたいと思います。
<<前回までの記事>>
【経営戦略×人材採用】御社の採用戦略を考えてみませんか‼
なぜ「求める人材像」を設定する必要があるのか?
人柄は積極的ながら柔軟で、コミュニケーションにおいても外向的。
専門的な知識や技術を有し、経歴や資格も申し分なし。
そんな完全無欠でスマートな資質を持った人物に来ていただけたら、どんなにステキなことでしょう。
しかし、現実には、そんな人物が御社が採用募集されるタイミングで職を探しているとは限りませんし、
御社が提供可能な待遇・環境に満足してくれるとは限りません。
前回記事でもみたとおり、募集をかけたらすぐに採用が決まる、そういう時代ではありません。
様々な求人媒体を利用して募集をかけるにしても、
御社から求職者に個別にアプローチをかけるにしても、
御社がどのような人物を求めているのかが外部からわからなければ、
候補者も応募しようがない・・・のです。
まずは、御社で今必要としている人材の要件を明確化し、「求める人材像」として公表するところがスタートになります。
そのうえで、「求める人材像」に最も近いターゲットにアプローチできそうな採用手法を見定め、
応募者を迎え入れる段取りを作っていきます。
経営者としての視点から
人が赤ん坊から少年、青年、壮年、老年とライフステージを歩むように、企業にも成長ステージがあります。
事業アイデアを具現化する「創業期」、
次第に事業が確立され、第二・第三の柱を志向するようになる「成長期」、
「ゴーイングコンサーン」の実行性を高めていくために環境変化に柔軟に適応していくべき「成熟期」。
商品・製品のライフサイクルによって、
事業そのものが変遷していくというパターンも多いですし、
成長ステージに応じて経営戦略は変わってきます。
御社が必要とする人材像も、当然どの成長ステージにあると判断するか、
経営戦略の方向性如何で、不断の見直しが必要です。
例えば、
創業期…経営者と志を一つにして、自律的に動いてくれる営業パーソン
成長期…組織化が進む中で、円滑な事業運営を支えてくれるムードメーカータイプ
成熟期…専門分野を持って実直に実務をこなし、一部門を牽引してくれる事業部長タイプ
このような形で、重点採用したい人物が変わってくるものと思います。
どのくらいの期間、御社に貢献してくれるかという点も忘れてはなりません。
そうすると、採用時点の年齢も大事な判断ポイントになるでしょう。
前回の記事でみたように、人口動態的な候補者不足という状況においては、
昨今のダイバーシティに関する社会的潮流を参照するまでもなく、
性別や年齢はもちろんのこと、国籍や人種、宗教といった、
多様な属性を超えた人材活用が求められてくる可能性もあります。
もしかすると、
「どんな人でもいいから、口ではなく手を動かしてくれる人が欲しいんだ!」
とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。
お気持ちはよくわかります。
しかし、そのためには「御社で手を動かそう」と思ってもらえるだけの未来を、
経営者としてデザインしていく必要があるのです。
条件が合わなかったり、意に沿わぬ仕事のやり方に不満を持ったりすれば、
すぐに従業員が転職してしまうことも当たり前の時代。
仲間である従業員に常に支持される企業でならなければならないのです。
現場ニーズを満たすためには?
人材採用を目指されている以上、
担当してもらいたい仕事があり、配属される部門に新たな仲間を迎えたい理由があると思います。
現場のニーズを事実ベースでしっかりと把握したうえで、
スキルや技術、経験面で何を最低限求めたいのか、言語化しましょう。
例えば、フォークリフトを運用した経験があり誠実な人柄であれば条件を満たすから、
比較的寡黙でコミュニケーションが得意ではないタイプでも採用したい、などと採用の目線を決めることができます。
人間は完璧な存在ではありませんから、
応募者のアラを探そうと思えばいくらでも見つけてしまうことができます。
現場で何が求められているのかを、採用選考を担当する本人が把握していなければ、
応募者に対する第一印象だけで判断することとなり、後悔する結果となるかもしれません。
採用前から現場に当事者意識を持ってもらうために、
現場で一緒に働くこととなるメンバーともよくよく話し合って、
巻き込んでいくことも必要です。
新たなメンバーに定着・活躍してもらうための地ならしともなるからです。
応募者の気持ちを考える
応募者は求職にあたっていくつかの希望条件を叶えるため、
自分自身の能力を正当に評価してほしいと考えています。
経営者であるあなたがどんな人物が応募してくるのか不安なように、
応募者もまた新たな環境に適応できるのか不安を抱えています。
そのための要件である「求める人材像」を言語化する上では、なるべく明瞭に記載しなければなりません。
一般的で抽象的な言葉よりも、経営者や採用担当者自身の言葉で表現した方がミスマッチを入り口で防止できます。
御社の選考にしていただくための参加資格といってもよい「必要(必須)条件」
重点的に評価するポイントである「歓迎(尚可)条件」
この二つはしっかりと書き分けなければ、
せっかくの応募者を逃すことになりかねません。
また、「歓迎条件」:については全ての条件を満たすことの方が稀でしょうから、
例えば「この中の条件の一つでも当てはまった方は、ぜひご応募ください!!」というように、
応募者の心理的ハードルを下げてあげましょう。
この際注意しなければならないのは、
「必要(必須)条件」については基本的に譲歩しない方がよいということです。
「歓迎条件」の一部を充たす珍しい人物だから、
「必要(必須)条件」には目をつぶりたくなるということがありえるかもしれませんが、
基本的には本末転倒となってしまう恐れがあります。
その後、有形無形のコストをかけることになりますので、
企業としてその負担が出来るか、慎重に判断すべきです。
それらを実現するための経営戦略を求職者に伝え、共感していただけた時こそ、御社で活躍してくださる方を採用できる瞬間なのです。
人を活かすも殺すも、経営者次第。御社の経営戦略如何だと言えます。
本稿のまとめ
「求める人材像」の重要性を本稿でお伝えしました。
しかし、実際には「求める人材像」を明文化していない、
あるいは現場のニーズを満たしていない「求める人材像」を掲げてしまっている企業も少なくないようです。
複業集団BRMzでは多様な業界・業種の出身者が、経営戦略・人材戦略の立案・実行をお手伝いいたします。
全員が中小企業診断士として経営戦略を体系的に学んでおり、企業で培った力を事業者の皆様のご支援に活かして参りました。
「そうはいっても、何から相談すればよいかわからない・・・!」
「どこからどこまでの仕事を任せられるのか見極めたい」
そんなところからのスタートでも結構です。
まずは、BRMzまでお気軽にご相談ください!