町工場のような製造業で人工知能(AI)を導入するには
こんにちは、BRMz共同代表の石井です。
今日は、製造業の現場にAIを取り入れる方法についてお話しします。
「最近AIやディープラーニングってのが流行ってるのは聞いたことがあるけど、何に使えるんだ?」
「町工場でAIを取り入れるなんて、まだまだ未来の話だろう」と考えてはいないでしょうか。
AIを導入するメリット
AIの導入には数多くのメリットがあります。その一部を見ていきましょう。
1 労働力不足の解消
日本では少子高齢化が進んでいます。
特に中小企業においては、労働者の高齢化や離職率の高さから、技術力のある従業員が不足しているケースが多くなっています。
従業員が少なくなっているにもかかわらず、品質や短納期を求められて苦労はしていませんか。
ATを導入すると、これまで人が行ってきた仕事をコンピュータにやらせることができます。
単純作業はAIに任せて、人間はよりクリエイティブな業務を行うことができるようになります。
2 品質の均一化
人間は、その日の体調や気分によって作業にムラができてしまいます。
一方で、AIは疲れることを知りません。
また、ディープラーニングなどの技術を用いれば、同じ作業をしていても、コンピュータが日々学習をしていき、より質の高い作業を行うことができます。
3 生産性の向上
中小企業の生産性は、大企業に比べて低いと言われています。
特に、「製造業」「情報通信業」「学術研究・専門技術サービス業」では大企業との生産性の差が大きくなっています。
中小企業が競争力を強化していくためには、労働生産性の向上を意識していく必要があるのです。
さらにAIをしっかり活用して、売り上げの増加やコストの削減ができれば、生産性が向上し利益の増加が期待できます。
4 従業員の満足度向上
AIを取り入れることができれば、人間は単純作業から解放されます。
従業員はより人間らしく工夫や思考が求められる業務に取り組むことができ、仕事へのやりがいを感じるようになるでしょう。
また、従業員がAIに関する知識をつけることができれば、先端技術に精通している意識の向上も期待できます。
AI導入の例
ディープラーニングが得意とするものは・画像認識・音声認識・言語処理などがあります。
その中の画像認識技術を使って、どんなことができるのかでしょうか。
画像認識とは画像認識とは、写真の中から、特徴を見つけ出す技術のことを言います。
例えば、以下のような活用の方法があります。
ボルトなどの部品を製造する工場で、大量のボルトの中から不良品を見つけるため、全数を目視で不良品検査をしていませんか。
AIを使えば、部品の写真から、良品と不良品を区別して、仕分けができるようになります。
全数が通過するベルトコンベア上にカメラをセットし、部品の写真を撮ります。
撮影した写真を、AIが入ったパソコンに送信します。
送信された写真から、AIが不良品の特徴を学習します。
不良品判定された部品を工程から取り除けば、検査工程の効率化が可能になるのです。
AIの導入工程
ここでは、画像認識AIを使用して検品工程を自動化する手順についてお話しします。
企画
自社の中で、単純作業で人手が掛かっている工程はありませんか。
検品作業などで、「この工程は人間じゃなくてAIがやれるんじゃないか」という困りごとを洗い出してみましょう。
その工程をAIが代替することで、工程はどう変化するのか検討します。
企画段階で、AIと機材を設置する工程について考えます。
具体的には、画像を取り込むためのカメラを設置する位置や、撮影方法の検討を行います。
実際にラインにカメラを組み込むためにラインの再配置を行ったり、仕分け方法についても検討します。
モデル構築
AIは、まず大量のデータを取り込んで学習します。
この学習のことを「モデル構築」と呼びます。
モデル構築の段階では、人の手で取り込んだ写真に良品・不良品などのラベル付けと呼ばれる仕分けをします。
この仕分けを行うことで、AIが写真の特徴を学び、分類できるようになります。
仕分けには、熟練の技術を持つ従業員のかたに協力してもらいます。
この作業にパソコンを使用しますが、プログラミングのような高度なものではなく、マウスで行えるような作業です。
導入・運用
実際に組んだモデルと機材を現場へ設置します。
運用しているうちに、AIは学習をどんどん進めていきますので、初期よりも検出性能が上がっていきます。
ここまでできれば、これまで単純作業を行っていた担当者が、別の作業をしながらAIの運用ができるようになります。
終わりに
AIには、プログラミングが必要な高度なものもあれば、パソコンの基本操作さえできれば導入できる簡単なものもあります。
AIの導入は、製造業が生産性を向上させるためには、必要不可欠となってきています。
どんな技術や事例があるかなど、下記サイトが参考になるので、ぜひ覗いてみてください。
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