事業計画を「絵に描いた餅」で終わらせないための3つのポイント
みなさま、こんにちは。BRMzの川村匡弥(かわむら まさや)です。
もうすぐ年の瀬ですね。弊社は12月決算なので、そろそろ今年一年の振り返りと、来年の計画を立てなければなぁ、と思っているところです。今年も様々なご縁に恵まれ、多くの事業者様と関わらせていただきました。年始に立てた計画のうち、想定以上の結果を残せたものもあれば、達成まであとひと踏ん張りしなきゃいけないものもありますが、おおむね上々だったかなぁ、と考えています。来年もいい結果を残せるよう、頑張っていきます!!
みなさまも事業計画を立てながら日々会社経営に勤しんでいらっしゃると思いますが、「計画通りに進んだ!」という方は少ないのではないでしょうか?中には期初に立てたきりで、期末に「そういえば…」と見返す方もいらっしゃると聞きます。せっかく期初に時間を割いて計画を立てたのに、それではもったいないですよね。できれば、立てた計画を効果的に活用して、より良い成長につなげたい。
今回は、事業計画を「毎年期初に行う儀式的なもの」という”絵に描いた餅”状態から脱却させ、効果的に活用するためのポイントについてお話していこうかと思います。これは事業計画だけでなく、様々なプロジェクトについても当てはめることのできるポイントなので、ぜひいろいろな場面で活用してみてください!
ポイント①:SMARTを心掛ける
「スマートな(賢い)事業計画」を立てよう!という意味ではありません笑
SMARTとは、目標管理に用いられるフレームワークのひとつで、
- Specific(具体的に):誰が読んでも分かりやすい表現で設定すること
- Measurable(測定可能な):達成度合いが測定可能(定量的)であること
- Achievable(達成可能な):希望や妄想ではなく、現実的な内容であること
- Related(関連している):より上位の経営概念と関連していること
- Time-bound(期限が定められている):期限が定められていること
の頭文字を取っています。ものによっては若干「R」や「T」が異なっていたりしますが、どれを選んでも結構です。これらすべてを満たすように計画を立てると、実現可能性が高まってきます。
1年というちょっと長めの期間の計画ですから、中には具体性に掛ける打ち手も出てきてしまうかもしれません。ただ、計画を立てる当人が実行できるイメージを持っていなければ、実現には決して至りません。
初手は直近の打ち手になることがほとんどでしょうから、それは具体的に検討することができるはずなんですね。その打ち手を「いつまでにやるか」(Time-boundです)を決めておき、その結果を検討して次の打ち手を取捨選択していく時間を設定すれば、その都度、計画の具体性を高めていくことが可能です。「こんなステップを踏むとこういう状態になるだろうから、その結果によって○○をするか△△をするかを決める」というように、幅を持たせつつも、イメージできる計画にできるとベターです。
Measurableについては説明することはないと思いますが、Relatedについては少しだけ言及しておきましょう。個人の目標設定であれば、事業計画や経営計画との整合性を取ればいい話なんですが、では親玉である事業計画は何と整合性・関連性を取ればいいのか?答えは「経営理念」です。
この事業計画を完遂できたときに、ビジョンの達成に一歩近づくことができているか?ミッションに背くような打ち手になってはいないか?苦しい時、ビジョンやミッションは蔑ろになりがちですが、そこに背いてしまっては一貫性がなくなり、結果的に信頼を失う結果になります。経営理念と紐づいた計画になっているかは、経営者がしっかりと責任を負うべきポイントです。その点だけは、辛い時こそ忘れないようにしましょう。
ポイント②:全員が納得する
事業計画を立てた後は、当然実行に移ります。さて、では計画を実行するのは誰でしょうか?
そう、従業員の方々ですね。(一人会社の方は無視してください笑)
事業計画が従業員にとって納得できないものになっていれば、当然ながら実行するエネルギーが削がれ、実現可能性が低下します。では、どういう計画だと従業員は納得し、自分ごととして事業計画の達成に向けて頑張ってくれるでしょうか?
人間は、論理と感情、両面がそろっていないと動かないと言われています。そう考えると、まず「事業計画に根拠があり、納得感があること」が重要です。例えば昨年過去最高の売り上げを記録したとして、「今年は昨年を超えるぞ!」という計画を立てたとしましょう。そこに根拠がなければ、従業員は「はいはい、勝手に言っててくださいよ」となってしまうのは明らかですよね。「去年の段階で見込み客だいたい刈り取っちゃってるし…さすがに無理だよ」というもっともらしい反論をするかもしれません。そうならないためにも、しっかりと根拠を積み上げて計画を立てていく必要があります。
次に、「従業員にとって頑張るメリットがあること」も訴求できるといいですね。感情面へのアプローチです。「どうせ頑張っても社長の懐に入るお金が増えるんでしょ…」となってしまっては、根拠がしっかりしていても目標達成に向けて動くことはありません。事業計画を達成することで、従業員の皆さんにもメリットがあるということをしっかりと伝えてあげることで、モチベーションにつなげて自分ごととすることもできるでしょう。
ポイント③:定期的に振り返る
これが分かっていても一番難しいことかもしれません。日々の業務に没入していると、ついつい振り返りの時間を取ることを忘れてしまいがちです。
ですが、「PDCAサイクル」というように、計画を立て、実行したら、進捗状況をチェックして改善をしていくことが重要です。期初に立てた計画は、①で書いたように具体性に掛ける打ち手もあったはずなんです。このチェック・改善をしなければ、結局具体的にならないままで、事業計画の実現性がどんどん低下していってしまうことになります。
実は、我々のように日々企業支援をしている人材でも、この振り返りの時間は意識しないと取れない人が多いです。ただ、意識と言っても「気を付ける」だけでは実現はしません。では、どうしているか?私は、仲間たちと振り返りの時間を月に1回設定しています。そうすることで強制的に振り返る時間を作ることができるんですね。そうすることで、毎月毎月計画を更新・ブラッシュアップしていけるので、たった1年でも飛躍的な成長になることだってあります。
皆さんも、従業員の方々や幹部級の方々と、月に1回振り返りの時間を設定してみるのはいかがでしょう?
「仕組み化」して3つのポイントを効果的に満たしていこう!
書いてみれば当たり前と思われることも多いかと思いますが、その当たり前を愚直に実践できるかどうかで、1年後の成果は大きく変わってきます。ただ、意志の力だけでは愚直に実践していくことはかなり難しいです。だって、人間ですもの。
なので、意志の力に頼らず、仕組み化していくことが重要です。例えばポイント①であれば、事業計画書のフォーマットにSMARTの項目を書いてしまう。ポイント②であれば、従業員全員を巻き込んで経営計画を立てる。ポイント③であれば、すでに書いているように月1の打合せを設定してしまう。
とはいえ、それでも「意志」は介在します。言ってしまえば、自分で作ったルールです。守るも破るも、経営者の自由なんですよね。従業員と一緒に、と言っても、従業員は経営者である皆さまに雇われている身ですから、どうしても忖度することだってあります。そんなときは、外部の力を活用するのも一つの手です。多少費用は掛かりますが、1年経った後にはかかった費用以上の効果を実感できていると思いますよ。
我々BRMzでも、もちろん上記のお手伝いをさせていただいていますので、「来年度こそ事業計画の達成を、いや、計画以上の成果を!」と考えていらっしゃる方は、以下のお問い合わせフォームから、ぜひぜひお声掛けくださいね!