運転資金の目安は? 多めに借入れしとけばよい?
こんにちは。BRMz共同代表の熊澤です。
資金調達を行う際に、設備資金であればどれくらい用意すればよいかは明白かと思います。しかし、事業のために普段から使用する資金である運転資金では「どれくらい借りておくのがよいのか」「総額でどれくらい資金を確保するのがよいか」とお悩みになる方もいらっしゃると思います。
一般的によく「月商の2ヶ月分」などと言われたりします。しかし、当然のことながら業種や業態により変わってきます。
結論をおおまかに言うと、以下の式により求めることができます。
運転資金 = (売掛金 + 受取手形 + 棚卸資産 ) ー (買掛金 + 支払手形)
事業資金は運転資金と設備資金に分けられる
そもそもですが、銀行から融資を受けた資金の使い道として、運転資金と設備資金に分けることができます。
運転資金
運転資金とは、事業をおこなっていくために必要な資金のことです。
例えば自動車メーカーですと、部品を仕入れてから組み立て、完成品を販売しています。部品を仕入れる材料費が発生してから販売代金が手元にくるまで時間がかかります。その間に組み立て工の人件費や本社機能の販管費などもかかってきます。
その際に企業はその費用を立て替える必要があります。その資金を運営資金といいます。
では、運転資金はどれだけ必要となるのでしょうか。以前のブログ「設備投資の可否はどう判断する?」でもお伝えした通り、以下の式で求めることができます。
WC(運転資本、運転資金) = 流動資産 ー (有利子負債を除いた)流動負債
また、さらに大まかに表すと、以下のようにも表すことができます。
運転資金 = (売掛金 + 受取手形 + 棚卸資産 ) ー (買掛金 + 支払手形)
設備資金
一方設備資金とは、事業をおこなっていく上で必要となる設備を導入したり建設したりするための資金のことです。
運営資金と同じく自動車メーカーで例えますと、組み立てを行うための機械の導入費用であったり、組み立て工場自体の建設費用などが挙げられます。
運転資金は常に一定ではない
上述した通り、計算で運転資金を把握することはできますが、ではそれが常に一定かというと、当然要素が変化しますので、そんなことはございません。
運転資金が増大する局面は大きく以下の4つが考えられます。
売上の拡大
売上が特に急激に拡大している時は注意が必要です。原価も売上に応じて拡大していると考えられますので、売上が入金されるまでの間は運転資金が増加することになります。こういう時に資金ショートしてしまうと、いわゆる黒字倒産となります。
売上の減少
逆に売上が急激に減少している局面においても注意が必要です。入金の量が少なくなるのに対し、売上が良かった月の支払が残っている、という状況があり得ます。
賞与の支払
賞与の支払時期には、もちろん必要資金が増加します。賞与に備えて現預金を積み増す企業もあれば、賞与支払用の資金を融資で調達する企業もあるでしょう。
季節的な変動
例えばアイスクリーム屋さんであれば、明らかに夏の売上が多くなり、夏は実質的に売上が急拡大する状況となってしまいます。このような季節に変動を大きく受ける業種である場合に影響が出てきます。
企業の状況を勘案し、総合的に判断する
では運転資金が不足しないようにするにはどうすればよいでしょうか。
余裕を持とうとして借りすぎてしまっては、金利の支払が余分にかかってしまいます。
業種や事業の拡大/縮小などその企業の実態に即して判断しなければなりません。
また、少し先の状況から資金繰りがどうなるかを計算し、先んじて融資を受ける必要があります。
さいごに
運転資金は以下の式で大まかに表せると述べました。
運転資金 = (売掛金 + 受取手形 + 棚卸資産 ) ー (買掛金 + 支払手形)
一方で、規模の拡大や季節要因によって将来変動するため、少し先の状況を予測し動く必要があります。
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